「バイトでも社会保険には入れるのかな?」「社会保険ってそもそもなんだろう?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
バイトで生計を立てている方にとって、社会保険の有無は非常に気になるところですよね。
今回の記事では、アルバイト・パートの方が社会保険に加入する条件やメリット・デメリットについて詳しく解説を行っていきます。
社会保険とは?

社会保険とは、病気や失業、災害などのトラブルに備えて行う保険です。
民間の保険とは異なり条件を満たしている方は加入でき、実際に上記のようなトラブルに出会った際に補助を受けられます。
広義では以下のような様々な保険を社会保険と呼びます。
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 労働災害保険
- 雇用保険
- 介護保険
対して狭義では、上記のうち医療保険と年金保険が社会保険としてメジャーです。
アルバイト・パートの社会保険加入条件

先述のように、社会で上手くリスク管理をしながら暮らしていくにはとても大切な社会保険ですが、アルバイト・パートの方でも加入できるのか疑問ですよね。
結論から申し上げると、アルバイト・パートの方でも条件を満たすと社会保険に加入できます。
そこでここからは、アルバイト・パートの方が社会保険に加入する条件について解説をしていきます。
勤務日数や時間が正社員の4分の3以上
アルバイト・パートの方が社会保険に加入する条件としてまず挙げられるのが「勤務日数・時間が正社員の4分の3以上」であることです。
この場合の社会保険には先述の「健康保険」「厚生年金保険」が含まれます。
労働時間は1週間、労働日数の場合は1か月間で判定され、その期間内の労働時間がともに正社員の4分の3以上であった場合に社会保険に加入できるようになります。
ただし、働く会社によっては所定の期間内は社会保険への加入を認めていない場合もあるため、その点には注意が必要です。
勤務日数や時間が正社員の4分の3未満
ここまでの社会保険加入条件を見ると、「週に数日長時間入っているけど、これだと日数の条件を満たせない…」など、勤務時間が正社員の4分の3以下で心配に感じている方も多いのではないでしょうか。
実は先述のような条件を満たしていない場合でも、以下のような条件を満たすと社会保険に加入が可能です。
- 1週間の労働時間が20時間以上
- アルバイト・パートでの年収が106万円以上
- 雇用期間が2か月以上(見込みでも可)
- 学生ではない(定時・夜間は可能な場合も)
- 企業が下記の条件いずれかを満たしている
1.国や地方公共団体に属したものである
2.厚生年金保険に加入している従業員が101人以上
3.従業員の社会保険加入に合意している
「勤務日数の条件を満たしていないけど社会保険に加入したい」という方はご自身が上記の条件に該当していないか一度確認してみましょう。
社会保険に加入するとどれくらい引かれる?
いざ社会保険への加入が決定した場合に、「社会保険料がどのくらい引かれるのか」が気になる方は多いのではないでしょうか。
社会保険料は基本的に「月々の給料の見込み額+健康保険料等級」あるいは「月々の給料の見込み額+厚生年金保険料等級」で決定されます。
健康保険は加入している健康保険によって保険料率が異なっているため、どれくらい引かれるのか正確に把握しておきたい方はきちんと確認しておきましょう。
厚生年金の場合はどのような企業で働いていても一律の保険料率(18.3%)なので、それをもとに計算すると正確な額を算出できます。
アルバイト・パートが社会保険加入するメリット・デメリット

ここまで紹介してきた社会保険ですが、条件が複雑なうえに把握しておくべき事項が多く、その煩雑さを超えるメリットがほしいところですよね。
そこでここからは、この社会保険にアルバイト・パートの方が加入すると、どのようなメリット・デメリットがあるのかについて解説をしていきます。
社会保険に加入すべきか悩んでいるアルバイト・パートの方は是非参考にしてくださいね。
メリット
アルバイト・パートの方が社会保険に加入するのには以下のようなメリットがあります。
- 事業主に保険料を負担してもらえる:個人で保険料を支払う場合に比べ金銭的に余裕を持てる
- 国民保険と比較し手厚い補償を受けられる:国民保険にはない「傷病手当」を受け取れる、老後の年金受給額を増やせる
- 失業手当を受け取れる:離職した際に失業手当や再就職への支援を受給でき、新たな職場を探しやすくなる
上記のように、社会保険に加入するとさまざまな支援により生活がしやすくなります。
デメリット
社会保険に加入する大きなデメリットとしては「収入の減少」が挙げられます。社会保険料は、アルバイトやパートによる収入から払われます。
そのため「今月はこのくらい働いたから、このくらい貰えるはず」と思っていると思ったよりも貰える額が少ないということも。
そういった事態を防ぐには、あらかじめ勤務先と話し社会保険に加入しないという選択も可能です。
前述のような労働時間の基準を満たしてしまっている場合、自動的に社会保険に加入してしまうため、ご自身の状況を冷静に判断し加入不要と判断したら勤務時間を短くするなどの工夫を行いましょう。
バイトの社会保険でよくある質問

ここまでアルバイト・パートの方の社会保険について解説を行ってきましたが、バイトの社会保険に関しては似たような質問がよく寄せられます。
そこで最後に、アルバイトの社会保険についてよくある質問への回答を掲載します。
収入が超えるのはバレる?
アルバイトの収入が103万円を超えると、世帯主の扶養控除から外れ、年末調整の控除を得られなくなってしまいます。
「バレなければ大丈夫なんじゃない?」と感じる方もいるかもしれませんが、収入が超えたことはいずれバレます。
勤務先への税金関連の通知やマイナンバー、確定申告など、一時的にはごまかせても段々と帳尻合わせできなくなる事態が訪れます。
正しく申告を行い、罰則による余計な出費を防ぎましょう。
バイトの掛け持ちは社会保険どうなる?
バイトを掛け持ちしている場合、社会保険の計算は掛け持ちしている勤務先の収入の合計で計算されます。
複数の勤務先での収入が130万円を超えると、世帯主の扶養から外れ、自身で社会保険に加入する必要があります。
また、掛け持ちしているバイト先のうちいずれかの勤務先での収入が106万円を超えた場合にも社会保険への加入が求められます。
掛け持ちをしている場合は、それぞれでの収入と全体の収入の合計をきちんと把握しておきましょう。
アルバイトの社会保険まとめ
今回の記事では、アルバイト・パートの方の社会保険について解説を行いました。
複雑で多くの事項について考えなければならない社会保険ですが、リスクを軽減しながら暮らしていくためにはとても大切な制度です。
アルバイトで得ている収入やアルバイトで働いている時間に応じて関わってくる社会保険は大きく変化します。
そのため、ご自身がどのくらいの収入や時間といった条件で働いているのか、きちんと把握をしておきましょう。
わからないことがある方は、株式会社PMIにご気軽にご相談ください。