「派遣社員を採用するとどんなメリットがあるの?」「派遣会社に募集を依頼するときは、何の情報を伝えればいいの?」
派遣社員の雇用を検討している企業は、こんな悩みを抱えているのではないでしょうか。
この記事では、派遣社員を採用するメリットや、募集を依頼するときのポイントについて紹介します。
派遣社員を採用するメリット

派遣社員を採用すると、経費削減につながったり、即戦力の人材が確保できたりするメリットがあります。
また、繁忙期の時期だけ人材を確保することもできるため、業務の効率をあげることも可能です。
経費削減につながる
派遣社員の雇用主である派遣会社は、毎月の保険料や給与の支払い義務があります。
一方、受け入れ先の企業は、派遣社員に対して保険の支払いをしたり、給与を計算したりする必要がありません。
企業側は、費用が発生しない労働時間の管理などが求められているため、正社員を雇用するよりも経費がおさえられます。
即戦力の人材が確保できる
企業が1から人材募集をすると、広告費や人件費がかかります。
また、企業が求める人材が見つからない場合は、採用まで時間がかかることも。
一方、派遣会社には、専門的な知識を持っている方がたくさんいます。現場経験が豊富な方も多いため、派遣先の即戦力になるでしょう。
プロジェクトや特殊な業務を任せられる人材を見つけたい場合は、派遣会社に希望条件を詳細に伝えることが大切です。
業務の効率が上がる
書類の整理やデータ入力など、決まった作業を派遣社員に依頼することで、企業側は他の業務に専念できます。
また、仕事を分担することでミスが少なくなったり、作業の時間短縮につながったりします。
業務のタスクが多い企業や、繁忙期は人手が足りなくなる企業は、派遣社員を利用することで業務の効率が上がるでしょう。
派遣を依頼するときに伝えるポイント7つ

派遣を依頼する場合は、下の7つを派遣会社に伝えてください。
- 募集背景
- 募集期限や募集開始時期
- 業務内容
- 社内の雰囲気
- 就業時間やスタイル
- 必要な経験やスキル
- 福利厚生や職場環境
会社の情報や募集条件を細かく伝えることで、派遣側も働くイメージが沸き、応募しやすくなります。
募集背景
派遣社員を募集する理由を明確に伝えることで、派遣会社は、どのような位置で配属されるのかを把握できます。
例)
- 社員の退職や異動によって人手不足になってしまった
- 産休や育休で休んでいる社員の代替が必要
- 事業拡大のために人を増やしたい
- 別の派遣会社さんとの契約が終了した
また、将来的に何をしてほしいのか、どんな成果を求めているのかを伝えておくことも大切です。
募集期限や募集開始時期
派遣依頼する場合は、募集期限や期間を決める必要があります。
募集するときに必要な情報は、下の通りです。
- すぐに人材を集める必要があるのか
- どれくらいの期間で募集するのか
- いつから募集するのか
- 派遣期間はどれくらいか
- いつから業務を開始するのか
業務を開始する1〜2か月前に派遣会社へ依頼すると、適した人材が見つかりやすいです。
ただし、急いで人材を募集する場合は除きます。
業務内容
派遣社員が実際に担当する業務内容や、配属される部署について伝えましょう。
業務内容は、詳細まで記載するのがポイントです。
例)
- 一般事務
- 営業事務
- 総務
- 経理事務
- オペレーター
また派遣社員の中には、業務内容だけではなく、どのように仕事を進めるのかを重視している方もいます。
リーダーなどの指示を受けながら1人で担当するのか、複数人がチームになって業務を分担するのかなども明確にしておきましょう。
例)
- 配属される部署の情報(部署の役割、業務の流れ、扱う商品やサービス)
- 業務の割り振り(単独で作業するか、チームで作業するか)
- 引継ぎや研修の有無
社内の雰囲気
働き先を選ぶときは、社内の雰囲気を確認し、自分が働きやすい環境なのか判断します。
派遣を依頼する場合は、下の情報を記載しておきましょう。
- 職場の男女比
- 服装の規定
- 髪色や髪型の規定
- 社員の年齢(平均)
- 配属される部署の仕事風景
写真や動画などを取り入れると、社内の雰囲気や部署のメンバーを詳しく伝えられます。
就業時間やスタイル
派遣会社に登録している人は生活スタイルがバラバラなので、働ける時間や曜日がそれぞれ異なります。
派遣社員が応募しやすいように、就業時間や曜日などを詳細に伝えましょう。
例)
- 就業時間(8時間、最低4時間など)
- 曜日(月~金、シフトによる など)
- 残業の有無
- コアタイム(10時~15時など)
- 休日(週休2日、年間125日など)
- 休憩時間(1時間など)
- 在宅勤務の有無(週3日、フルリモートなど)
必要な経験やスキル
業務内容によっては、経験やスキル(資格)が必要になる場合があります。
経験やスキルを求める場合は、募集内容に次のような条件を追加しましょう。
例)
- 「簿記3級以上」
- 「経理の実務経験あり」
- 「日常会話レベルの英語が使える」
ただし、必須条件を歓迎条件として記載してしまうと、必要な経験やスキルがない人が紹介される可能性があります。
募集内容に記載する場合は、必須条件か歓迎条件なのかを明確にしましょう。
事前に社内で必須スキルや、経験値などを整理しておくと、ミスマッチが防げます。
福利厚生や職場環境
派遣社員は、福利厚生や職場の環境が整っているかを重視している人が多いです。
会社のサポートや制度が充実していると、派遣社員からの応募が増えるため、いい人材とマッチしやすくなります。
会社の良さをアピールするためにも、福利厚生や職場環境について詳しく伝えましょう。
例)
- 制服の貸し出し
- ドリンクサーバーの有無
- パソコンや備品の貸し出し
- 設備の使いやすさ(食堂や更衣室など)
- 医務室などが利用できるか
派遣社員が気持ち良く働くには?

派遣を依頼する企業は、派遣社員が快適に働けるような環境を整えておくことが大切です。
契約時に派遣社員の業務内容を明確に伝え、必要であれば勉強会や研修の時間を設けましょう。
また企業側の社員と差別する行為は、問題に発展する可能性があるため、対応に注意してください。
業務内容を明確にしておく
派遣社員の業務内容は契約の時点で決まっています。
契約外の業務を依頼しないように、派遣社員とかかわる社員には情報を共有しておきましょう。
また業務の担当範囲が明確に決まっていない場合は、事前にフローを整理しておく必要があります。
企業側は、派遣社員が仕事内容に違和感を感じない環境づくりを心がけましょう。
社員と差別しない
会社の規定などで区別される場合を除き、社員はすべて平等に扱うこととされています。
企業側の社員と派遣社員を差別する行動は、会社同士の問題につながる可能性が高いです。
次のような行動は、待遇差別になるため注意しましょう。
- 派遣社員だけ社内のMTGに参加させない
- 業務に必要な機器を自分で用意させる
- 使用できる施設が制限されている(食堂や更衣室が使えないなど)
- 重要な情報が共有されていない
2020年4月には、厚生労働省から「同一労働同一賃金」が施行されました。
正社員と派遣社員の間にある待遇の差別が徐々に解消され始め、派遣でも働きやすくなってきています。
勉強会を設ける
採用された派遣社員は、即戦力になりますが、各会社のルールや業務の流れは把握できていません。
派遣社員が配属後すぐに業務ができるように、社内の規定や業務に関する勉強会を設けましょう。
また、勉強会で知識を身に着けることで、スキルアップすることが可能です。
派遣を依頼するときはポイントをしっかり伝えよう
今回は派遣社員を採用するメリットや、依頼のポイントについて紹介しました。
派遣社員は経費削減や即戦力になるため、社員の業務効率が上がります。
依頼する場合は、募集時期や業務内容、福利厚生などを詳しく伝えることが大切です。
また派遣先で理不尽な待遇を受けたり、契約にない業務を任されたりしないように、企業側の受け入れ体制を整えておきましょう。